フラダンスからHULAへ 運命の出会い、そして現在、未来へ
ハワイで本場のフラを見るまで、フラって、ココナッツブラを付けて、葉っぱのスカートを履き、赤い羽根の付いたマラカスみたいな楽器を持って、腰を振る踊りという認識だった。もちろんHULAではなくフラダンスだと思っていた。
で、日本では、おばあちゃま達の習い事、老後の楽しみ事くらいにしか思っていなかった。
まさか自分がHulaを始めるなんて思いもしなかったし、自分の人生の中でこんなに大切な物になるとは思いもしなかった。
WAIIKIKIで本物のHULAに出会う
WAIKIKIではKuhio Beachやホテル、レストランなどで、しょっちゅうフラショーが行われていて、無料で見ることが出来る。
今まで抱いていたフラってこんな物、という概念が全て覆され、すっかり心を奪われてしまった。
私もやってみたい! 日本に帰って、早速フラ教室を探した。その当時住んでいた所は、ジムでスタジオでのレッスンがあり、その先生が外でもお教室を持っておられたのだが、腰を痛められて、お休みされる事になってしまっていた。
残念ながら、他にHālauなかった為、諦めざるをえなかった。その後直ぐに隣の県に転勤が決まった。
転勤先の住処を探しに行った時、帰りの列車の待ち時間に、書店で「HULA leʻa」というフラ雑誌を購入して読んだ。その中に、初代Miss AlohaのAloha Dalireさんのインタビュー記事が載っていた。
彼女曰く、日本でHulaが盛んになっていることは大変喜ばしい事である。HulaはHawaiʻiの大切な文化なので、是非Hawaiʻiとの繋がりのある先生に習って欲しい、とおっしゃっていた。
その県には有名どころのHālauの支部が幾つかあり、色々と体験レッスンに行かせてもらった。
いよいよフラ教室に入る
Alohaさんの言葉に影響を受け、ハワイのKumu(日本でいうとお師匠さんの様な存在)のシスターハラウに入会することにした。
初心者クラスはある程度の人数が揃わないと開催されないということで、3ヶ月程待った。
まずは、基本のステップからじっくり練習する。基本のステップはベーシックと呼ばれていて、どこのHālauでも非常に重要視される。
これを体にしっかり覚え込ませないと、綺麗に踊ることは出来ない。
端で見ていると、とても優雅に踊っている様に見えるが、基本、中腰でアップダウンもあり、かなりハードな踊りだ。
初心者クラスには半年在籍した。ステップが身に付いてくると、ハンドモーションの練習に入る。
Hulaは手話の踊りとも言われ、手の動きでストーリーを紡いでいく。慣れてくるとハンドモーションを見ると、知らない曲でも、どんな歌Meleなのか想像がついてくる。
この柔らかで滑らかな手の動かし方がすごく難しい😓
先生の、先輩方の、そしてハワイのダンサーさんの動きを、穴が空く位じっくり観察して、自分の動きとどう違うのか、鏡を見ながら練習、練習、練習あるのみ❗
ドキドキのイベントデビュー
入会して11ヶ月目に大きなイベントに出演した。チャリティーイベントで、Hulaだけではなく子供のバレーやヒップホップ、日舞やタップダンスなど多彩な出し物が行われる。
約1700名収容の大きなホール。前日に場当たりというリハーサルがあって、生まれて初めて上手(かみて)下手(しもて)、出ハケという言葉も知ることに。
このイベントは毎年開かれていた。その他、デパートのハワイアンフェアやボランティアで老人施設や障害者施設などで踊らせてもらった。
子供の頃からピアノをやっていたので、舞台はある程度慣れているはずなのだが、何より笑顔で踊るというのは思った以上に難しい。
笑え、と言われれば言われるほど、変に顔に力が入り、妙な笑顔になっているのが自分でもわかる。
自覚すればする程ますます口がこわばっていく。そして、ただ笑顔なだけでは人形の様で不自然で、その曲で語られている物語を表現するように表情を出していかなければならない。
日本人はあまり感情表現が上手ではないと言われているので難しい😓
場数を踏むと、又年齢を重ねると、度胸も出てくるのか、だんだんと自然な表情を出すことも出来る様になり、笑顔も様になってくる。
でも、ハワイのダンサーさんの素敵なはじけるような笑顔の域にはなかなか到達できないなぁ😢
Hawaiʻiで無料カルチャープログラムに参加する
Royal Hawaiian Centerでは毎週、当時は月、木曜日の10時~11時に、現在は火曜日の11時~12時にロイヤルグローブでレッスンが行われている。誰でも参加でき、基本的なステップやハンドモーションを習い、簡単な曲を教えてもらえる。
教えてくれるのは有名なHālau所属のプアケアラ・マン先生。とても愉快で楽しい先生。更にウクレレの生演奏付でのレッスン。
英語があまりわからなくても、身振り手振りでわかりやすく説明してくれるので大丈夫だ。
私が初めてこのプログラムに参加したのは、フラを初めて間もなくの時だった。この時のレッスンが特殊でとても印象に残っている。
普段は1曲教えてもらうのだが、この時は天気が悪く地面が濡れていたので、2階のインフォメーション前の広場でレッスンが行われた。
ハワイ語を覚える為の数え歌の様なもので、上を意味するi luna、下を意味するi lalo。上すなわち空を飛んでいる鳥manu、下、地面に咲いている花pua、海を意味するkai、海の生き物亀honuなどというハワイ語を教わる。これには簡単な節回しがついていた。
当時は簡単なステップの名前位しかハワイ語を知らなかったので、マン先生が上を指さすとみんながi luna、鳥の羽ばたきをジェスチャーするとmanu等とスラスラ答えていたのを聞いて、自分の記憶力の無さを嘆いたのだが、フラをある程度やっていたら簡単な質問だったのね、と今なら思える。
その後も何回かこのレッスンには参加したけど、後にも先にもこの様なレッスンにはお目にかからなかった。
昔はWaikiki Shopping Plazaでも無料のフラレッスンがあり、午前中は初心者クラス、午後からは中級者クラスが行われていた。
観光客向けだが、中級者クラスはそこそこ習ってなければ全くついて行けない程の難易度だった。知らなくて参加した人は途中でリタイヤしていたっけ。
転勤に伴い新しいHālauを探す
うちは転勤族なので、新しいところに移る度にHālauを探さなければならない。最初に入ったHālauの支部がそこにあれば一番いいのだが、そうそううまくはいかない、というか一度も支部があるところには転勤にはならなかった。
初めての教室が良かったのでどうしてもそこと比べてしまい、なかなか納得のいくところを見つけるのは困難だ。
あまりに厳し過ぎてgiveupしてしまった所や、金銭的にかなりかかるので無理になった所、意地悪されて通うのが嫌になった所(なにせ女の集まりなので色々あるわ)などなど・・・
今通っているHālauは、家から車で通える場所で、先生は私よりひとまわりぐらいお若いが、大変熱心で、もちろんハワイの先生の日本校のクラスに所属されている。フラシスも若い人が多いのだが、みんな仲が良くて楽しい。
一応ついてこれそうということでWahineクラスに加えて貰っている。
普段は一年に一度、ハワイの先生のワークが開催されるのだが、コロナの為に来日することが出来ない。が、有り難いことにオンラインで世界中どこにいても繋がることが出来る。
一昨年、昨年ともZoomで新しい曲を教えていただくチャンスがあった。
そのような機会を設けてもらえ、色々勉強させてもらえるのは大変幸せなことである。
今はイベントも自粛で次々と中止になり、人前で踊る機会もなくなり、どうしても張り合いがなくなってしまう。
昨年の緊急事態宣言の時は、レッスンもZoomになってしまった。フラシスに会えないのは寂しいが、Zoomの良いところは、レッスン後に限定Youtubeでその時の映像を送ってくれること。
普段はスタジオの鏡を見て自分の踊りを確認するのだが、レッスン中ジッと見るわけにもいかないので、映像で自分の癖やみんなと揃っているかなど客観的に見れるのは有り難いし非常に勉強になる。
人間って、困難な状況になっても、それを打開しようという知恵が次々出てくるのは改めて素晴らしいと思う。
じっくり練習をつんで、この間に自分なりにハワイの歴史やフラやハワイ語の勉強もし、更にレベルアップを目指して、見てくれる人に感動や温かい気持ちを伝えられるダンサーになるべく努力をしたい。